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KINDAI UNIVERSITY

貴重書・コレクション

常設展示

2004年

『ハックルベリー・フィンの冒険』(アメリカ版初版)

Mark Twain .
Adventures of Hucklevery Finn (Tom Sawer's comrade). 1885
Mark Twain With one hundred and seventy-four illustrations.
First American Edition.

著者 トウェイン
出版地 ニューヨーク
出版年 1885年

本書は、「トム・ソーヤーの冒険」や「王子と乞食」、「金ぴか時代」などを発表し、19世紀のアメリカを代表する文学者と呼ばれたマーク・トウェイン(これはペンネームで、当時の水先案内人達が使っていた用語で二尋―蒸気船の航行に安全な水の深さ―を意味する)が49歳の時に出版した作品である。
ミシシッピ河畔を舞台に、浮浪児のハックルベリーと黒人ジムが数々の出来事に遭遇する冒険物語で、後半にはトム・ソーヤーも登場する。
後に、作家ヘミングウェイがこの作品を評して「今のアメリカ文学は全て『ハックルベリー・フィンの冒険』から出てきている」と言ったという。

『クリスマス・キャロル』(初版)、『炉辺のこおろぎ』(初版)、『人生の戦い』(初版)

Dickens, Charles 1812-1870
A Christmas Carol. 1st edition. 1843
The Cricket on the Hearth. 1st edition. 1846
The Battle of Life. 1st edition. 1846

写真は「クリスマス・キャロル」より

著者 ディケンズ
出版地 いずれもロンドン
出版年 1843年、1846年、1846年

「クリスマス・キャロル」
強欲な主人公スクルージが、3人の幽霊と出会うことによってクリスマス・イブの夜に改心し、貧しい人々に手をさしのべるようになるという心暖まる物語。 後に「クリスマスの書」として一冊にまとめて出版された作品の第1作目(全5作)。演劇・映画などの原作として幾度も取り上げられるなど、現在も多くの人に愛されている作品である。

「炉辺のこおろぎ」
「クリスマスの書」の第3作目。幾つかの家庭の悲喜劇の物語。幻影形式のクリスマス物語。

「人生の戦い」
「クリスマスの書」の第4作目。ファンタジーの要素(「クリスマス・キャロル」における幽霊、「炉辺のこおろぎ」のこおろぎの精など)が含まれていない点が、他の「クリスマスの書」の作品と趣を異にしている。献身的な性格の姉妹が最後は共に幸せな家庭を築き、人生を否定的に考えていた姉妹の父親も改心をするという物語。

シャーロック・ホームズの思い出』(初版)

The Memoirs of Sherlock Holmes. Sir Authur Conan Doyle. 1894

著者 ドイル
出版地 ロンドン
出版年 1894年

19世紀末のイギリスを舞台に、名探偵シャーロック・ホームズが活躍する第二冊目の短編集。全部で11の作品が収められている。
本書の最終話(「最後の冒険」)で一旦シリーズは終了したが読者の熱烈な支持により再開、1927年に発表された「最後の挨拶」まで全部で60の作品からなる世界的人気シリーズとなった。
作者のサー・アーサー・コナン・ドイルの他の作品としては、SF小説の「失われた世界」、歴史小説では「勇将ジェラールの回想」などがある。

『人間の由来と雌雄選択』 アメリカ版

The descent of man and selection in relation to sex. Charles Darwin. 1871

著者 ダーウィン
出版地 ニューヨーク
出版年 1871年

本書は、「種の起源」にて展開された進化説を人間に適用したもので、解剖学ならびに発生学に照らして他の動物との相同関係を見きわめ、選択(淘汰)の原理に従ってヒトという種の起源、発達、および枝分かれを論じている。

彼は、無脊椎動物から脊椎小津物に見られる第二次性徴的特徴の実例を挙げ、これらの特徴の個体的差異が生殖のときの相手の採択に影響して、次第に大きな差異となって種の枝分かれの原因になるという理論を展開した。 これは「種の起源」では詳しく述べなかった原理で、人間も下等な動物に由来する進化の産物だという考えを明らかにした。

『トロイとその遺物』

Troy and its remains. Heinrich Schliemann. 1875

著者 シュリーマン
出版地 ロンドン
出版年 1875年

本書は、トロイの都市遺跡を最初に発掘したハインリッヒ・シュリーマンによる調査報告書である。 発掘中に「タイムズ」紙に連載していた記事をまとめたもので、出土品などの豊富な図版が掲載されている。
発掘はトルコ西部のヒサルリクで1871~73年にかけて行なわれ、黄金の装飾品など多数の遺物が発見された。シュリーマンは、自らが発掘したのは『トロイの木馬』で有名なホメロスの叙事詩「イリアス」に描かれた古代都市トロイであると考えた。現在では、彼が発掘したのは「イリアス」に描かれたよりも前の時代の都市遺跡であったとされている。

『世界周航記』

著者 クック
出版地 ロンドン
出版年 1773-84年

クックはイギリスの航海家で、1768年南太平洋学術調査隊の指導者としてエンディヴァー号に乗組み第一次探検に出発した。タヒチ島より南緯40度まで達し、ソサイティ諸島を発見、オーストラリアを測量し、クック海峡を発見して帰国した。
その後、第二次探検では南極に近づこうとして失敗したが、ニューカレドニア島などを発見した。さらに第三次探検では北太平洋を探検し、アラスカの北岸へ達し、ベーリング海峡を調査した後、ハワイ諸島を発見したがこの地で殺されてしまう。
これらの航海記録はクック自らが記した航海記に乗組員がその後の航海日記を集めて編んだものである。

展示の足跡