著者 | 秋里籬島 著 丹羽桃溪 画 |
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出版地 | 皇都 |
出版年 | 享和元(1801)年 |
本書は、河内国(現在の大阪府東部)を描いた名所図会である。本書巻之四は、若江郡、巻之五は、高安郡、河内郡と、本学周辺の地についての記述がある巻で、若江城墟、弥刀神社、石切剣箭(つるぎや)神社などが収録されている。大坂と奈良を結ぶ椋嶺峠(現在の暗峠)に、茶屋や旅籠がひしめくように軒を連ね、街道として繁盛していた様子がうかがえる。
名所旧跡はもちろん、『伊勢物語』筒井筒の段に由来する故事や、楠木正行が討死した四条畷合戦の『太平記』からの引用と挿絵などがある。
丹羽桃溪(1760-1822)は、大坂の浮世絵師である。蔀関月(しとみかんげつ)に絵を学び、大坂の銅山における銅の採掘から精錬までの諸工程を描いた『鼓銅図録』などで知られる。