Darwin, Charles Robert (1809-1882) The decent of man and selection in relation to sex. New York: D.Appleton.1871
著者 | ダーウィン |
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出版地 | ニューヨーク |
出版年 | 1871年 |
本書は、『種の起源』において展開された進化説を12年の後に人間に適用したもの。解剖学ならびに発生学に照らしてほかの動物との相同関係を見極め、選択(淘汰)の原理に従ってヒトという種の起源、発達、および枝分かれを論じている。
2部構成で、第1部では人間は類人猿に似た遠い祖先から進化してきたもので、今いるサルや類人猿から進化したのではないと論じている。また、第2部では、主に性淘汰を扱っている。無脊椎動物から脊椎動物に見られる第2次性徴の実例を挙げ、これらの特徴が生殖の際の相手の選択に影響し、次第に大きな差異となって種の枝分かれの原因になるという理論を展開した。これは『種の起源』では詳しく述べなかった原理で、人間も下等な動物に由来する進化の産物だという考えを明らかにした。
展示本は、イギリスで出版された初版と同年刊の米国版である。