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KINDAI UNIVERSITY

図書館からのお知らせ

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2017年

2017.5. 1 5月貴重書常設展示(5月1日~5月31日)

葛飾北斎画 『北齋女今川』 江戸後期頃

出版年 江戸後期頃

 「女今川」は、南北朝時代の武将今川貞世(了俊)が弟の仲秋にあてた家訓書「今川状」の形式にならって作られた女性用の教養書である。初期の「女今川」には挿絵がなく、世の中に普及するにつれ、本文の改作や挿絵の入った「女今川」が生まれた。『北斎女今川』は、「女今川」から多くの派生作品が作られた中で誕生した類書のひとつで、葛飾北斎が挿絵を描いている。
 葛飾北斎は、江戸中期から後期にかけて活躍した浮世絵師。勝川春章の門に入り、役者絵を始めとして、錦絵や黄表紙、洒落本などの挿絵を描いた。さらに狩野派、土佐派、琳派の画風を学ぶにとどまらず、その意欲は洋風画にまで及んだ。
 北斎に代表される浮世絵の空間表現や構図法は、モネ、ゴッホやビアズリーなど19世紀のヨーロッパの画家達に大きな影響を与えた。