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8-9月貴重書常設展示(2026年9月30日まで)

2026.8.18 お知らせ

『河内名所図会』

著者  秋里籬島
挿絵  丹羽桃溪
出版地  浪華
出版年  享和元(1801)年

名所図会は、江戸時代後期以降に刊行され、地域についての事物の来歴、地理的なことなどを客観的に記述し、多くの挿絵を有する名所案内記で、旅行ガイドとしての役割も果たした。特に秋里籬島によるものは、当時では珍しい俯瞰図を多用した挿絵が特徴である。
秋里籬島は京都の読本作者で俳人。安永9(1780)年に刊行した『都名所図会』が大当たりしたのをきっかけに絵師を連れて各地を取材旅行し、『大和名所図会』、『和泉名所図会』などを次々と著わして「名所図会」流行の先駆者となった。丹羽桃溪は大阪の絵師で、『摂津名所図会』などの名所図会、狂歌本、滑稽本などの挿絵画家として活躍した。
河内国(大阪府南東部)は、古代より難波と大和を結ぶ要衝として繁栄。南北朝時代には南朝の根拠地、戦国時代には群雄争奪の舞台となり、織田信長、豊臣氏の領国を経て、江戸時代には幕府の直轄地、大名・旗本領や寺社領が交錯した。
本書巻之4は若江郡、巻之5は髙安郡、河内郡と、本キャンパス周辺の地について記述されている巻で、若江城跡、弥刀神社、石切剣箭神社といった名所・名跡のほか、『伊勢物語』筒井筒の段に由来する故事や、楠木正行が討死した四条畷合戦の『太平記』からの引用と挿絵などの記述もある。
画像は「河内音頭の発祥の地」と言われている常光寺の門前の賑わいを描いた場面。