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7月貴重資料常設展示(2025年8月6日まで)

2025.7. 1 お知らせ

『天工開物』全3巻9冊


著者  (明)宋應星 ; (日本)江田益英校訂
出版地  大坂
出版年  明和8(1771)年

『天工開物』は、中国・明代末期(17世紀)の官僚、宋應星(そう おうせい)によって著された産業技術書。当時の中国におけるさまざまな技術や工芸を18の分野に分け、図入りでわかりやすく解説している。火薬や武器の項目には、当時中国にやって来たイエズス会宣教師を通じて伝えられたヨーロッパ式の製法も取り入れられている。
江戸時代初期に日本にも伝わり、多くの知識人に読まれた。発明家平賀源内もそのひとりで、「サトウキビしぼりの図」などを自著『物類品隲(ぶつるいひんしつ)』(全6巻)で引用したとされ、中国の技術を日本の実践に応用しようとした。 本書は、江戸時代中期の学者・蔵書家である木村蒹葭堂(きむら けんかどう)の所蔵本に、備前国(現在の岡山県)出身の儒者江田益英(えだ ますひで)が校訂を加え出版された最初の和刻本。