著者 | 秋里籬島撰 竹原春朝斎画 |
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出版地 | 浪華 |
出版年 | 寛政3(1791)年 |
秋里蘺島(生没年不詳)は、京都の俳人である。竹原春朝斎の画による『都名所図会』の大ヒットにより、全国各地をまわり多数の名所図会を出版した。
本書は、大和国疋田村の地誌研究家、植村禹言(うえむら のぶこと)(?-1782)の遺志を継ぎ、秋里籬島がその草稿を得て撰したものである。
はじめに、大和の来歴、以下、郡ごとに分けて神社仏閣、名所旧跡についての由来と現状を述べている。春朝斎は浮世絵師としての巧さを発揮し、その場所ごとの由来を縁のある和歌と絵図で描いている。
興福寺や奈良町、潮水が湧くとして聖地とされた吉野川の潮淵(昭和34年の伊勢湾台風で消滅)など、現存するものから失われたものまで、数多くの大和国の名所が紹介されている。