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KINDAI UNIVERSITY

貴重書・コレクション

常設展示

2020年

『祈祷書』 オックスフォード 1857年

The book of common prayer, and administration of the Sacraments, and other rites and ceremonies of the church, according to the use of the United Church of England and Ireland.
Oxford: The University Press, 1857.

祈祷書

出版地 オックスフォード
出版年 1857年

本書は、イギリス国教会の祈祷書である。聖書日課表、諸祈祷、礼拝など様々な典礼の手順を示す内容となっている。 本書の表紙には、銅板のレリーフがついている。表は、イエス・キリストの生誕の場面で、空にはベツレヘムの星が輝き、マリアに抱かれた幼子のイエスに東方から来た3人の賢者が贈り物を捧げている。裏表紙は、イエス・キリストの復活の場面で、復活したキリスト、キリストの復活を告げる天使、驚く番兵たち、香油の壷を持った3人のマリア、空になった墓などが表現されている。

『番匠町家雛形』 全2巻2冊

番匠町家雛形

著者 広岡保教著
出版地 江戸
出版年 明和7(1770)年刊

雛形本とは、江戸時代初期に成立した木組み、部材および部材間寸法の比例、図案などを示す建築設計の手引書である。雛形本では、図画が技術説明のために不可欠な要素となっている。もともとは、近世初期の大工棟梁家において体系化され一子相伝とされた秘伝書であった。
本書は、江戸日本橋の須原屋茂兵衛によって刊行されたもので、その後の木造建築技術における教科書的な書物となっていった。

『都名所図会』 全6巻

都名所図会

著者 秋里籬島著
竹原春朝斎画
出版地 皇都
出版年 天明6(1786)年 再刊

『都名所図会』は、京(現在の京都市)および山城(現在の京都府南部)の名所旧跡を絵図と文章で著した地誌で、現在の旅行ガイドにあたるものである。安永9(1780)年に刊行され、本文は京都の俳諧師秋里籬島が著し、図版は大坂の絵師竹原春朝斎が描いた。
神社仏閣の俯瞰図や、市やそこに集まる人々の様子がいきいきと描かれていて、庶民の支持を得たことで、『河内名所図会』、『大和名所図会』等の各種名所図会の出版のきっかけとなった。

『摂津名所図会』 全9巻12冊

摂津名所図会

著者 秋里籬島著
竹原春朝斎画
出版地 浪華 ; 皇都
出版年 寛政8(1796)年、寛政10(1798)年

本書は、摂津国(現在の大阪府北西部、兵庫県南東部)の名所旧跡を絵図と文章で著した地誌であり、現在の旅行ガイドにあたるものである。神社仏閣の俯瞰図のほか、市や店構え、そこに集まる人々の様子がいきいきと描かれている。
編者の秋里籬島は、京都の俳人で、竹原春朝斎の画による『都名所図会』の大ヒットにより、全国各地をまわり多数の名所図会を出版している。挿絵は、春朝斎を中心に、丹羽桃渓ほか7名の絵師による。
寛政8(1796)年に巻7、巻8(上下2冊)、巻9の4冊が刊行され、寛政10(1798)年に巻1、巻2、巻3、巻4(上下2冊)、巻5、巻6(上下2冊)の8冊が刊行された。

『百人一首一夕話』(ひゃくにんいっしゅひとよものがたり)

百人一首一夕話

著者 尾崎雅嘉著
大石真虎画
出版地 浪華
出版年 天保4(1833)年

『百人一首一夕話』は、江戸時代後期の国学者である尾崎雅嘉(1755-1827)によって書かれた百人一首の解説書。百人一首を順番に並べ、歌の評釈とともに、各作者をめぐるさまざまな逸話が記されている。100点以上の豊富な挿絵は、復古大和絵派の画家である大石真虎(1792-1833)が描いた。通俗的ではあるものの、当時の町人階級が身につけるべき教養書として広く愛読された。

『眠り姫、その他の物語』

Dulac, Edmund, 1882-1953(illust.)
Quiller-Couch, Arthur, Sir., 1863-1944
The sleeping beauty and other fairy tales from the old French.
London: Hodder & Stoughton, 1910.

眠り姫、その他の物語

著者 デュラック画
キラー=クーチ再話
出版地 ロンドン
出版年 1910年

本書は、イギリスの再話(リトール)の名手アーサー・キラー=クーチ卿が選んだフランスの4つのおとぎ話集で、『眠り姫』のほか、『青髭』、『シンデレラ』、『美女と野獣』を30点のカラー図版とともに収録した1000部限定、天金の豪華本で、挿絵を担当したエドマンド・デュラックの署名が入っている。
デュラックは、イギリスで活躍したフランス出身の挿絵画家。15歳年上のラッカムとともにイギリス挿絵黄金期を牽引した。色彩の美しさや、オリエンタリズムの要素をちりばめたエキゾティックな世界で、「線のラッカム、色のデュラック」と並び称されるほどラッカムと人気を二分した。

展示の足跡