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2024年

秋里籬島著 竹原春朝斎等画 『攝津名所圖會』 全9巻12冊


出版地  皇都
出版年  寛政8(1796)年~寛政10(1798)年

『摂津名所図会』は摂津国(現在の大阪府北西部、兵庫県南東部)の名所旧跡を絵図と文章で著した地誌。編者は秋里籬島。挿絵は竹原春朝斎を中心に、丹羽桃渓ほか7名の絵師が分担しているが、大半を春朝斎が描いている。
本書には寺社の俯瞰図や風景図のほか、市場や劇場などの繁盛図、年中行事図や風俗図などさまざまな種類の挿図が収録されている。また商いの様子や店の看板、いきいきとした人物たちの表情が細部まで描かれていることも大きな特徴である。籬島による歴史、地理、伝承、文学など多岐にわたる解説文と、春朝斎の描く緻密で躍動感あふれる絵図は現代人の目で見ても面白く、魅力に富んでいる。


『プッツガー歴史地図』第15版


出版地  ビーレフェルト, ライプチヒ
出版年  1889年

ドイツの中等学校の教師プッツガーが1877年に出版した『プッツガー歴史地図』は、歴史の授業に欠かせない世界史のハンドブックとして有名な歴史地図帳。
古代から現代までの時代の地図や、歴史的発展のテーマ別地図が含まれたこの地図帳は、何度も版を重ね、生徒が地図を読み、歴史的発展を理解し、歴史科学を発見するのに役立つ教育ツールとして普及し、また、歴史に興味のある大人にも人気を博した。
現在まで版を重ねており、最新版は2021年に刊行された105版になる。


『聖王ルイの詩篇』ファクシミリ版


出版地  グラーツ(オーストリア)
出版年  1972年

 本書は、フランス王ルイ9世(聖王)の依頼で製作された写本『聖王ルイの詩篇』のファクシミリ版。13世紀フランスを代表する絵画作品として広く知られている。本文「詩篇」に先立って<扉絵>と<暦>がついている。
扉絵は78もの細密画(ミニアテュール)からなり、旧約聖書の物語を詳細に描いている。
画像左は預言者モーセの誕生、右はモーセがユダヤ民族解放をエジプト王へ要求する場面を描く。
オリジナルの写本は、1818年8月にサンクトペテルブルクのフランス大使を通じて、ロシア帝室からフランス王立図書館(現:フランス国立図書館)に寄贈された。
現在、フランス国立図書館の電子図書館で全頁が公開されている。
https://gallica.bnf.fr/ark:/12148/btv1b8447877n.r=psautier+dit+de+saint+louis.langFR


『和泉名所図会』


著者  秋里籬島 著 竹原春朝斎 画
出版地  浪華
出版年  寛政8(1796)年刊

 『和泉名所図会』は、和泉国(泉州地方)の名物・名所案内。
和泉の国の由来から、堺の生んだ数多くの人物・名産品や寺院・神社の由来、有名な堺の鉄砲・刀鍛冶から包丁・のこぎりの打出しなどが記載されている。


『ジャンヌ・ダルク』


著者  マーク・トウェイン
出版地  ニューヨーク
出版年  1919年

 本書は、トウェイン生前に出版された最後の本格的長編小説となる『ジャンヌ・ダルクについての個人的回想("Personal recollections of Joan of Arc")』を子ども向けに改作したもの。 トウェインは、伝説の少女ジャンヌ・ダルクを「この上なく優れた子ども」としてその美徳と功績を讃えている。
挿絵を描いたハワード・パイルは、19世紀後半から20世紀初頭に活躍したイラストレーターで、「アメリカのイラストレーションの父」とも呼ばれている。


法橋関月画 『日本山海名産図会』 全5巻5冊


出版地  浪華
出版年  寛政11(1799)年

日本各地の産物の採取や生産の様子を紹介した図会。著者は大坂の町人学者木村兼葭堂といわれ、図は大坂で活動した浮世絵師蔀関月が描いた。
『日本山海名物図会』(宝暦4(1754)年)の続編として、寛政11(1799)年に初版が出されて以降、19世紀前半にわたって日本各地で版を重ねて出版されたロングセラーである。


『ペリー提督日本遠征記』


Hawks, Francis Lister, 1798-1866
Perry, Matthew Calbraith, 1794-1858
Narrative of the expedition of an American squadron to the China Seas and Japan : performed in the years....
Washington: Beverley Tucker, printer, 1856.

編者  ホークス
出版地  ワシントン
出版年  1856年


 1853(嘉永6)年、浦賀にアメリカ東インド艦隊司令長官ペリー率いる艦隊が来航し、江戸幕府に開国を迫った。1854(安政1)年に再び来航し、横浜で日米和親条約を締結した。
 本書は、ペリーが帰国後、アメリカ政府の委嘱を受けて監修し、ニューヨークのカルベリー教会の牧師で歴史家のホークスが編纂したものである。ペリーが軍艦に搭乗した1852年にはじまり、2度にわたる中国諸海域及び日本来航の記録をまとめた。
 第1巻は東方紀行、第2巻は動植物等の研究報告や日米和親条約の締結文書等、第3巻は天体観測の記録で構成されている。挿絵、スケッチ等は随行画家ヴィルヘルム・ハイネが作成した。


紫式部 山本春正[編・画] 『絵入源氏物語』 30冊


出版地  京都
出版年  万治3(1660)年

『源氏物語』は、平安時代中期に成立した54巻からなる長編物語。
『源氏物語』の写本や注釈書を収集・研究していた江戸時代前期京都の蒔絵師初代山本春正は、初学者のための絵入本の出版を計画し、慶安3(1650)年に『絵入源氏物語』を刊行した。読みやすくするための様々な工夫が施されており、『源氏物語』の大衆化に大いに貢献した。
本書は、万治3(1660)年に林和泉掾(はやしいずみのじょう)が刊行した絵入版本。


『ニュートン天文学』


Ferguson, James, 1710-1776
Astronomy explained upon Sir Isaac Newton's principles, and made easy to those who have not studied mathematics. second edition
London: James Ferguson, 1757

著 者  ジェームズ・ファーガソン
出版地  ロンドン
出版年  1757年

 『ニュートン天文学』は、複雑な天文学を一般の人にもわかるように解説した天文学の教科書である。初版は1756年で、本書は第2版。後の版では、1761年の金星の太陽面通過に関する事項が追加された。
 著者のファーガソンは、スコットランド出身のエンジニア、天文学者。天球儀の作成を行い、これを利用して講演を行い名声を博した。また、天文時計や"エリプサリオン"と呼ばれる日食を説明する装置を発明した。


松濤軒齋藤長秋編輯 ; 長谷川雪旦畫圖 『江戸名所圖會』7巻20冊

出版地  江戸
出版年  天保5(1834)-天保7(1836) 年

『江戸名所図会』は絵入りの江戸地誌で、江戸府内にとどまらず北は大宮から、西は日野、東は船橋辺と江戸近郊についても記述している。
神田の名主であった斎藤幸雄(長秋)、幸孝(莞斎)、幸成(月岑)が三代にわたり38年もの歳月をかけて刊行した。7巻20冊におよぶこれまでの名所図会を質・量ともに凌駕するものであった。挿絵は江戸後期の画家・長谷川雪旦が描いている。名所旧跡や神社仏閣などを現地取材にもとづき記述しており、雪旦の描く詩情豊かな挿図とともに史料的価値が高く、幕末期の江戸風俗を知るうえに欠くことのできない一史料となっている。また、勤藩武士や出府農民などの地方在住者も『江戸名所図会』を片手に散策していたことがよく知られており、土産品としても珍重された。