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KINDAI UNIVERSITY

貴重書・コレクション

常設展示

2022年

『眠り姫、その他の物語』

Dulac, Edmund, 1882-1953(illust.)
Quiller-Couch, Arthur, Sir., 1863-1944
The sleeping beauty and other fairy tales from the old French.
London: Hodder & Stoughton, 1910.

『眠り姫、その他の物語』

著者 キラー=クーチ再話
挿絵 デュラック画
出版地 ロンドン
出版年 1910年

本書は、イギリスの再話(リトール)の名手アーサー・キラー=クーチ卿が選んだフランスの4つのおとぎ話集です。『眠り姫』のほか、『青髭』、『シンデレラ』、『美女と野獣』を30点のカラー図版とともに収録した1000部限定、天金の豪華本で、挿絵を担当したエドマンド・デュラックの署名が入っています。
デュラックは、イギリスで活躍したフランス出身の挿絵画家。15歳年上のアーサー・ラッカムとともにイギリス挿絵黄金期を牽引しました。色彩の美しさや、オリエンタリズムの要素をちりばめたエキゾティックな世界で、「線のラッカム、色のデュラック」と並び称されるほどラッカムと人気を二分したといわれます。

『日本散策』

Guimet, Emile, 1836-1918
Régamey, Félix, 1844-1907(illust.)
Promenades Japonaises : dessins d´apres nature.
Paris: G. Charpentier editeur, 1878.

『日本散策』

著者 ギメ
挿絵 レガメー
出版地 パリ
出版年 1878年

1836(天保7)年にフランスのリヨンに生まれた実業家エミール・ギメは、1876(明治9)年に画家・イラストレーターのフィリックス・レガメーと共に来日し、約3か月間日本各地を旅行しました。
本書は、その旅行を記録した『日本散策』全2巻のうちの第1巻で、横浜や鎌倉、江ノ島の紀行文がレガメーの挿絵とともに収められています。

『日本名山圖會』

『日本名山圖會』

著者 谷文晁(画)
出版地 江戸:須原屋茂兵衛
出版年 文化9(1812)年

江戸時代後期の画家である谷文晁(1763-184)は、親交のあった江戸の町医者川村寿庵(?-1815)の依頼により、文化元(1804)年に、日本諸国の山岳風景画88図を、『名山図譜』のタイトルで出版しました。
本書は、『名山図譜』の88図に、新たに岩手山、玉東山(今の姫神山)の2図を加えて90図とし、文化9(1812)年に改題、刊行したものです。図絵に描かれている山は、北海道から九州まで幅広く、文晁の人気も相まって、広く読まれるようになりました。

『ケルムスコット・プレス設立趣意書』

Morris, William, 1834-1896
A note by William Morris on his aims in founding the Kelmscott Press Together with a short description of the Press by S. C. Cockerell, & an annotated list of the books printed thereat.
Hammersmith : Kelmscott Press, 1898

『ケルムスコット・プレス設立趣意書』

著者 ウイリアム・モリス
出版地 ハマスミス:ケルムスコット・プレス
出版年 1898年

ケルムスコット・プレスは、詩人、工芸家、社会主義活動家として19世紀後半に活躍したイギリスのウイリアム・モリス(William Morris, 1834-1896)が晩年に、ロンドンの郊外ハマスミスに「理想の書物」の実現をめざして設立したプライベート・プレスです。
モリスは同プレス刊本において「なによりも美しく読みやすく心の糧となる書物」を追求しました。口絵のデザインは、1860年代に計画のみに終わった『地上楽園』特装版用のバーン=ジョーンズの絵にロバート・カタースン=スミス(Robert Catterson-Smith, 1853-?)によって修正が加えられたものが使われています。

『日本昔噺(はなし)』

Foujita, Tsugouharu, 1886-1968(illust.) Légendes japonaises Paris: Éditions de l'Abeille d'or, c1922.

『日本昔噺(はなし)』

著者 藤田嗣治画
出版地 パリ
出版年 1922年

「日本昔噺」は、1920年代からフランスを中心に活躍した日本人画家・藤田嗣治(1886-1986)の挿絵本。1910年代から20年代に、パリのファッション・プレートでよく見られた淡い色彩が美しい印刷技法(ポショワール刷)を駆使した作品で、鬼女になった清姫の「道成寺」、「鵺(ぬえ)退治」をした源頼政、亀にのった「浦島太郎」などの場面が、独特の流れるような細い線で描かれている。

『日本:その建築、美術、美術工芸』

Dresser, Christopher, 1834-1904 Japan : its architecture, art, and art manufactures. London: Longmans, Green and Co, 1882.

『日本:その建築、美術、美術工芸』

著者 ドレッサー
出版地 ロンドン
出版年 1882年

ドレッサーは、イギリスの植物学者、デザイナー、作家。1876(明治9)年にイギリス政府の公式代表として日本を訪れ、ヨーロッパのデザインを日本にもたらした。約4カ月の滞在中、日本各地を訪問し、浅草寺、正倉院、清水寺、伊勢神宮など、歴史的に重要な建築、美術に多く触れ、工芸品の産地を視察した。
本書は、帰国後出版されたもので、日本の建築や美術を紹介しており、西洋におけるジャポニズムの流行に大きな影響を与えた。日本の建築や美術のなかで、装飾性に優れ、また構成の巧みなものを評価し、建築物としては、日光東照宮を最も評価している。

秋里籬島著 竹原春朝斎等画 『攝津名所圖會』全9巻12冊

秋里籬島著 竹原春朝斎等画 『攝津名所圖會』全9巻12冊

出版地 皇都
出版社 小川太左衞門

摂津国(現在の大阪府北西部、兵庫県南東部)の名所旧跡を絵図と文章で著した地誌。
編者は秋里蘺島。挿絵は、竹原春朝斎を中心に、丹羽桃渓ほか7名の絵師が分担して描いている。
『攝津名所圖會』は当時数多く出版された名所図会の中でも9巻12冊と長編のもので、挿図は寺社の俯瞰図や風景図のほか、市場や劇場などの繁盛図、年中行事図や風俗図など、さまざまな種類があり、人物の表情や店の看板なども緻密に描かれていることが大きな特徴である。

※バーチャル貴重書展「まちの賑わい-名所図会からみる-」開催中!!
https://www.clib.kindai.ac.jp/event/2022/0316-_316-630.html

葛飾北齋 『傳神開手 北齋漫畫』 13編 複製本

葛飾北齋 『傳神開手 北齋漫畫』 13編 複製本

出版地 東京
出版社 実業之日本社

『北斎漫画』は、『富嶽三十六景』と並ぶ葛飾北斎の代表作。
「漫画」とあるが物語性はなく、絵を学ぶ者にとっての絵手本であり、職人のための図案集である。
様々な人物、動植物、建物、日用品、風景、気象などの事象を描き、その挿図数は3000余りにのぼる。

展示の足跡